名作文学アンソロジー 人間失格 を読みました。
人間失格の漫画化は既に何作もされていましたが、こういった「萌え」を全面に押し出したものはこれが初じゃないでしょうか。
表紙の時点で萌え要素を押し出していますが、ページをめくればショタ、BL、百合、幼女、女体化、裸エプロン、体操服、バニーガール、メイド、幽霊、ネコ耳、貧乳、ヤンデレ(?)などなど、人間失格の内容を知っている人間からは想定していないものが次々ととびだしてきます。
商業で活躍している方から、コミケサークル参加者などが揃っており、好みの差はあると思いますが画力に関しては充分読めるものだと思います。
肝心の内容はと言いますと、担当者ごとに程度の差こそあれど、とてもわかりやすくまとめられています。
帯には「原作を読んでいなくても楽しめる!」と書かれていますが、そのとおりでした。
ここはこういうふうに解釈したのか、と関心する部分もありました。
また、カバーをめくるとそこにも4コマ漫画が描かれているという手の込みよう。
これまであった「名作を漫画化」とは違う、「名作を現代風にアレンジ」とも違う、「漫画としてカリカチュア化された名作」の意識を強く感じた一冊です。
太宰治自体が万人受けするような作家・作風ではありませんが、これで少しは読者に対する門戸が開かれたように感じます。
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